ちまちまと狩りをしつつ、妄想に耽る生活というのも…いいものです。
はい。負け惜しみ、ですね。
昨日同様、手も足も出ない状況です。
光沢剤のストックも底をつき、サブでの製造もままならない状況です。
そろそろ株でも売りますか…。
▼妄想に逃避ですっ▼
茶番もいいところ
はじめに。下記にご留意の上、お読みください。
記号の説明：
★言ってみたい
☆言われてみたい
※本日の妄想は、なんというか大変ひどいことになっています。引き返すなら今です。
◆
「やめろ、お姉から手を放せ」
「うるせえ、ガキはすっこんでろ」
「弟に手をださないでっ」
「お姉ぇ！！お姉ぇぇぇ」
「こいつは上玉だ。はえぇとこ、貿易港で売りさばいちまおう」
「げへへ。おとなしくしてろよ、姉ちゃん」
「うるさいですねー。魚が逃げちゃうじゃないですか」（★）
「なんだと、てめえ」（☆）
「魚が逃げるから、よそで騒いでくださいー」
「んだと、おらぁ」
「言葉が分からないのですか？」（★）
鼠のような顔をした無法者は、白い鎧を帯びた釣り人の、傍らにつきたててある槍と、まなざしの強さに気づき、本能的に後ずさりました。
「へっ。こっちは借金のかたで娘をつれていくところなんだ。邪魔しないでくれ」
「はい。邪魔しません。ですので、静かに願いますね」
白い鎧の娘と無法者の会話を目にした少年が、わらにもすがる気持ちで娘に懇願します。
「剣士様、お姉が連れていかれちゃうんだ。助けてくだ…」
「私には係わりのないことです」（★）
「そんな」
「借金なら返せばよいでしょう」
「と、父ちゃんが怪我をして。今稼ぎ手がいないんだよ」
「なら、仕方ないじゃないですか」
「でも、父ちゃんを怪我させたのは、あいつらなんだ」
「羅眼に相談することですね」
「子供の俺の話なんて聞いてくれないんだよ。借金を返さない方が悪いって」
「でしょ。そういうことなんですよ」
「だって、だって…」
「貧しいから、力が無いからという理由では、誰も助けてくれませんよ」
「そんなこと言ってない」
「貴方が弱いから大事なものを奪われるのです」
「…」
「悔しければ強くなりなさい。」（★）
◆
「俺だって。俺だって強くなりたいよ。でもお姉は『今』連れていかれちゃうんだ」
「……」
「お願いだよ、剣士様。いつか強くなったら家来になるよ。だから…」
「あー。もう面倒いなあ」
「坊や。一つ訂正しておきます」
「何をだい？」
「私は剣士ではありません」
釣竿を放り出し、槍を無造作に取り上げ、白い鎧を着たイクシア娘はゆらりと立ち上がります。荷駄をまとめている無法者の馬車には、他にもどこからか連れてこられた若い娘達が、泣く気力も失い、悄然と乗せられていました。
「話は聞かせていただきました」（★）
「ああん、なんだと」
「その娘を解放しなさい」
スキンヘッドの大男が、白い鎧の娘を上から下まで眺め値踏みしています。
「姉ちゃん、こちとら商売だ。邪魔しねえでくれ」
「そうもいきませんー。未来の家来が困っているのです」
「ままごとなら、よそでやりな…がふっ」
白い兜を小突こうとした大男が、数メートル吹き飛ばされて昏倒します。
「あ、あにきぃ。ってめえ」
「一応、先に言っておきますが。私、見た目より強いですよ」（★）
「野郎ども、やっちまえ」（☆）
「悪党ども、念仏を唱えておきなさい」（★）
（中略）
「お、覚えてやがれ」（☆）
「口ほどにもない」（★）
無法者の集団は捨て台詞を残して去っていきます。ついでに助けられた娘たちは、枯れていた筈の涙を浮かべながら感謝の言葉を次々に述べました。
「ありがとうございました」（☆）
「ご恩は一生忘れません」（☆）
「素晴らしいです。ファンになります」（☆）
（略）
「じゃあ、私はこれで」
「最後にお名前をお教え下さい」
「名乗るほどの者じゃありません」（★）
九尾の狐に跨り、夕日に向かって去っていく白い鎧の娘を、土産にと各自に渡された金子を胸に、娘たちはいつまでもいつまでも見送りました。
「剣士様ー。いつか家来に！！」
「けんしじゃなーい…けんしじゃなーい、なーい」（こだま）
◆
「はい、カーット」
「どうでした、今の」
「やられ方がわざとらしい感じがしましたが」
「まあ、活劇というのは、ある程度誇張しないと楽しくないですよ」
「ま、いいでしょう。ラッシュはいつ頃見られそうですか」
「これまでのは編集済みですので、来週中には可能かと」
「おっけーです。楽しみにしています」
スタッフとサブの総動員で制作中の、来年の大河「バネッサの半生」。
制作順調です！
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