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バネッサ・チャンネル

ヨウギクの片隅で妄言を。

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アジト・3

300%週間、大変です。
忘れていましたが、一応調合も嗜んでおりますので、ファーナ様のクエストを試してみることに。
倉庫から材料持ってくれば良いのですが、面倒なので購入していたら一気にお金が無くなりました。

製造の間、暇でしたのでこちらのサイトで、下記のようなものを作ってみました。(元ネタ

VVパッケージ

黒背景での作成方法が分からないのが残念です。

▼ちょっと長めですが。できればお読みください▼

以下、妄想。
※こちらの続きものです。【1】【2】【2.5】

「皇帝のご寵愛」の店主は、苦虫を噛んだような表情でグラスを磨いていました。
日課でもあるこの作業は、店主が好むものでしたが、カウンターの前にいる二人の人物が店主の機嫌を悪くしているようです。

「サム。バネッサも散々謝っているじゃない」
「………」
「そろそろ許してやってあげなさいよ、ね」
「………」

店主は、自分が悪者のように責められている点も含めて、納得がいかない様子です。
何故こんなことになったのか、どの時点から事態が狂い始めたのか、記憶を辿りはじめます。


バネッサと名乗る、イクシア娘が提示した値段は、法外なものでした。
潰れかけのバーに何故こんな値段を、と当然の疑問が頭をもたげます。

「この金額なら、トキヤの一等地でも店を出せるだろうに」
「でも、ここを残したいのです」
「できれば、その理由を聞かせてもらえるか」
「私にとって、大事な方の思い出の場所なのです。後…」
「なんだ」
「伝統というか、『皇帝のご寵愛』の名前が好きなんですよ」

イクシア娘の言葉には嘘は無さそうです。最初から断るつもりでいた店主でしたが、翌日もその翌日も来店して懇願する態度に根負けして、譲渡に応じることにしました。(そもそも、畳むつもりだったのですから)

「金は、最初の金額の1/10でいい」
「え、いいんですか」
「金に困ってはいないんだ」
「嬉しいですー、それではお言葉に甘えます」
「店の名前は残してくれるんだよな」
「はい、もちろんです」
「そうか」
「あと、建物全体が傷んでいるので、多少の改修をさせていただこうかと思っています」
「わかった」
「あと、差し出がましいお願いがあるのですが」

イクシア娘は店主に、このままマスターの形で残ってもらえないかと言い出します。今更、他人に仕えるのもどうかと思いましたが、当座やることも思いつかないので、とりあえず週契約で受けることにしました。


「では、契約書もこの通りということで。早速明日から工事の人間をよこしますね」
「あ、悪い。明日から一週間ほどINできないんだ」
「じゃあ、それまでに終わらせておきます。楽しみにしていてください」

契約金も入金され、イクシア娘も来客用のビラがどうとか、チャンネルに告知する(?)とか陽気に騒ぎはじめており、なんだか店主も愉快な気分になってきました。そこはかとなく不安が無くもありません。ただ、環境が変わっていくことに対するものだろうと思い返しました。


一週間後、店主は「皇帝のご寵愛」の前で愕然としました。
渋い色合いだったはずの、柱、壁面がすべて淡いピンクやブルーのペンキで塗りたくられています。

「なんだ、これは」

銀色に塗られてしまった木製の扉、その上方にある電飾看板を見ると、そこには「メイドバー・皇帝のご寵愛」の文字が。
何かの間違いだ、と思いながら扉を開けますと、メイド服の集団が声を揃えて店主を迎え入れました。

「おかえりなさいませ、マスター」

自分が気に入っていたあの内装は、無残にもパステルカラーを基調としたファンシーなものに変貌しています。
気付にブランデーを飲もうとカウンターを探しましたが、酒瓶が見当たりません。ノンアルコールでバー?
ロッカーに自分用のボトルがあったはず。無言で更衣室に向かい、キャーキャー騒ぐ召喚メイドを一喝して追い出します。
しかし、自分の名前が刻印されているロッカーを開いたとき、店主の奥歯が激しく音を立てました。

ピンク色のベストとスラックスが、そこに掛っていたのです。

店主はロッカーに置いてあった、2本の残鉄を久々に手に取りました。大切に守ってきたものを、ここまでコケにしてくれた、あのイクシア娘を3枚に下ろさねば気が納まりません。

サム・ザ・ダブルドラゴン(双竜のサム)。
その昔、凶悪な程の強さを誇った二刀流の剣士に付けられた二つ名です。店主は昔同様の身のこなしで「皇帝のご寵愛」を飛び出しました。

(つつ、つづくー)





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