300%週間、大変です。
忘れていましたが、一応調合も嗜んでおりますので、ファーナ様のクエストを試してみることに。
倉庫から材料持ってくれば良いのですが、面倒なので購入していたら一気にお金が無くなりました。
製造の間、暇でしたので
こちらのサイトで、下記のようなものを作ってみました。(
元ネタ)

黒背景での作成方法が分からないのが残念です。
▼ちょっと長めですが。できればお読みください▼
以下、妄想。
※こちらの続きものです。
【1】、
【2】、
【2.5】
「皇帝のご寵愛」のマスターは、不機嫌な表情でグラスを磨いていました。
日課でもあるこの作業は、マスターが好むものでしたが、カウンターの前にいる二人の人物が店主の虫の居所を悪くしているようです。
「サム。バネッサも散々謝っているじゃない」
「だから、別にもう怒っちゃいない」
「嘘。サムは昔から機嫌が悪いと口角が下がるのよ」
「……」
「さっき上の階も見せてもらったけど新品同様になっているじゃない。いつまでも引きずってみっともないわよ」
「引きずっちゃいない。むしろありがたいと思ってる」
「そういう風に見えないから言ってるの!」
マスターは、自分が悪者のように責められている点も含めて、納得がいかない様子です。
何故こんなことになったのか、どの時点から事態が狂い始めたのか、記憶を辿りはじめます。
◆
バネッサと名乗る、イクシア娘が提示した値段は、法外なものでした。
潰れかけのバーに何故こんな値段を、と当然の疑問が頭をもたげます。
「この金額なら、トキヤの一等地でも店を出せるだろうに」
「でも、ここを残したいのです」
「できれば、その理由を聞かせてもらえるか」
「私の大事な方の思い出の場所なのです。それと…」
「なんだ」
「なんというか『皇帝のご寵愛』って名前が好きなんですよ」
イクシア娘の言葉には嘘は無さそうです。最初は断るつもりでいたマスターでしたが、翌日もその翌日も来店して懇願する態度に根負けして、譲渡に応じることにしました。(そもそも、畳むつもりだったのですから)
「金は、最初の金額の1/10でいい」
「え、いいんですか」
「金に困ってはいないんだ」
「嬉しいですー、それではお言葉に甘えます」
「店の名前は残してくれるんだよな」
「はい、もちろんです」
「そうか」
「あと、建物全体が傷んでいるので、多少の改修をさせていただこうかと思っています」
「わかった」
「あと、差し出がましいお願いがあるのですが」
イクシア娘はこのままマスターの形で残ってもらえないかと言い出します。今更、他人に仕えるのもどうかと思いましたが、当座やることも思いつかないので、とりあえず週契約で受けることにしました。
◆
「では、契約書もこの通りということで。早速明日から工事の人間をよこしますね」
「あ、悪い。明日から一週間ほどINできないんだ」
「じゃあ、それまでに終わらせておきます。楽しみにしていてください」
契約金も入金され、イクシア娘も来客用のビラがどうとか、チャンネルに告知する(?)とか陽気に騒ぎはじめており、なんだかマスターも愉快な気分になってきました。そこはかとなく不安が無くもありません。ただ、環境が変わっていくことに対するものだろうと思い返しました。
◆
一週間後、マスターは「皇帝のご寵愛」の前で愕然としました。
渋い色合いだったはずの、柱、壁面がすべて淡いピンクやブルーのペンキで塗りたくられています。
「なんだ、これは」
銀色に塗られてしまった木製の扉、その上方にある電飾看板を見ると、そこには「メイドバー・皇帝のご寵愛」の文字が。
何かの間違いだ、と思いながら扉を開けますと、メイド服の集団が声を揃えてマスターを迎え入れました。
「おかえりなさいませ、マスター」
気に入っていたあの渋い内装は、無残にもパステルカラーを基調としたファンシーなものに変貌しています。
気付にブランデーを飲もうとカウンターを探しましたが、酒瓶が見当たりません。ノンアルコールでバー?
ロッカーに自分用のボトルがあったはず。無言で更衣室に向かい、キャーキャー騒ぐ召喚メイドを一喝して追い出します。
しかし、自分の名前が刻印されているロッカーを開いたとき、店主の奥歯が激しく音を立てました。
ピンク色のベストとスラックスが、そこに掛っていたのです。
マスターはロッカーに置いてあった、2本の残鉄を久々に手に取りました。大切に守ってきたものを、ここまで台無しにしてくれた、あのイクシア娘を3枚に下ろさねば気が納まりません。
サム・ザ・ツインドラゴン(双竜のサム)。
その昔、凶悪な程の強さを誇った二刀流の剣士に付けられた二つ名です。マスターは昔同様の身のこなしで「皇帝のご寵愛」を飛び出しました。
(つつ、つづくー)
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