先日のメンテナンスで、モンスター・ハンティングの仕様が変更されたそうです。
まあ、私は「殴る」担当ではないので、あまり活躍もできませんし、関係ない話とも言えます。
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現在のねぐら(場所はトップシークレット)には、昨年新しいエアコンをとりつけています。
白く大きな筺体から、倭の国の女拳闘士(特技はお笑い)からお名前を拝借し、「しずちゃん」と呼んでおります。しゃべったり、自分自身をお掃除できたりする、なかなか優秀なしずちゃんです。
ただ、昨今の猛暑で酷使しすぎたのか、昨夜血迷ったことをしでかしました。
私は寝るときにはエアコンを切る人なのです。
(理由は色々ありますが、それはさておき。)
いつものごとく、布団にもぐりこむ前にスイッチを切ると「フィルター掃除運転」モードに切り替わりました。そのまま放置しておけば、掃除が終わり運転を停止する訳です。
保冷材の枕に頭を落ち着かせ、永遠に読みかけのままである本を数ページ読むと、いつの間にか眠りに落ちる訳です。
ドラゴンの腹の中でもがく悪夢から目覚めたときは、空が明るくなっていました。全身が汗まみれで、異常なほど身体が熱いのです。何かがおかしい…。
見上げると、しずちゃんから「暖かな風」が吹き出ていました。
「なんで?」
おそらく数秒固まっていましたが、とりあえず運転を強制停止し、扇風機を戦闘速度で稼働。麦茶を一気飲みし、着衣を脱ぎ棄てシャワールームへ。
水を浴びながら、恐ろしく「下らない事」を考えてしまいました。
色々と支障がありますので、ここには書けませんが。
「もう、しずちゃん。エアコンなんだから空気読んでよね」
・・・こんなこと、私のセンスを疑われちゃいますので書けません。
視界を遮られた状態では、満足な攻撃もできません。
防具すら無い状態で、足元からの熱気で体力も奪われつつあります。
可能な打突はたったの一撃のみ。外せば終わりです。
周囲からは、私の判断を惑わす悪魔達の声がします。攻撃は仕掛けてこない様子ですが、一度きりの攻撃を外した瞬間に、私を絶望の底に引きずりおろすのでしょう。
いけない、集中、集中。
意識を透明にし、周囲にいる生命の波動を感受します。
最後に見た光景を頼りに、求める相手の位置を捉え、一閃。
手ごたえあり。永遠にも感じる静寂の刹那、どっと歓声があがります。
「バネッサの負け―」
「えー」
目隠しを取ると、目の前には砂の山に突き刺さった竹刀が。
スイカは・・・私の右方向に、それも結構遠くに鎮座していました。
砂の山は、お城だったそうで。建造者である少年に、土下座してお詫びしていたら、コルレットが分け前のスイカを持ってきてくれました。
「美味しいね」
「お塩、欲しいですね」
「海の水じゃだめかな」
「それ、なんか嫌です」
「じゃ、我慢しましょ」
「あい」
ビーチパラソルの下で、女二人がスイカに喰らいついている図もどうかと思いますが、本人たちが楽しいから良いのです。