木陰で襟元に風を入れながら、四つ葉の使い道を考えていました。
残り日数も少なく、かといって48分間集中する自信が無いので、売ってしまおうかとも。
ただ、それをすると、何というか「一線」を越えてしまうような…気もするのです。
明日、明日こそは狩りをします。
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「万能モフッとキー」なるものが販売されているようです。(公式)
自分が欲しい過去のガチャレアアイテムを選択し、使用する万能モフッとキーを選択してからゲームスタートを押すとモフッと宝島をすることができます。
ガチャレアを最初に指定できるのは良いですね。
白馬はとても気に入っていますが、やっぱり永久寿命の騎乗動物も欲しいところです。
夢のシルバーウルフ。うーん、悩ましいのです。
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さて、久々に妄想でもしてみましょう。多少…自虐的となりましたけど。
神界省への就職も決まっていましたが、卒業研究の仕上がりを少しでも高めようと、当時の私は研究室と図書館を往復する毎日を過ごしていました。
精霊大学校を首席卒業できるかも、という密かな野望を胸に。
と言うのも、首席卒業者に贈られるマナは、魔法の泉を作れるほど大量なのです。
私の一族は、裕福とは言えない生活の中から、皆で私の学費を負担してくれました。
集落に泉ができたら、皆の生活がどれだけ楽になることでしょう。
皆の喜ぶ顔を見たい一心で、昼は実験を繰り返し、夜は眠い目をこすりながら、魔法定理の証明式の検査を繰り返していたのです。
私の研究は、エンチャントにおける消滅武具と、モンスターがドロップするアイテムの連鎖環に位置する『名状しがたい魔』の…いえ、止めておきましょう。
結局、私の研究論文は世に出ることはありませんでしたから。
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目の前で、一人の人間が平和な寝息を立てています。
黄金色の髪。白い甲冑。平和ボケした寝顔。
私は定められた期間、この物質界で、この人間の支援を行う精霊として召喚されました。
人気が無い役割の為か、報酬は悪くありません。
仕事自体も、気が向いた時に、手近にある「力」を体力なり魔力に転換して、契約者に与えれば良いという、楽なものです。
自由な発言は禁じられており、定められた「台詞」だけを言っていれば良いのですが(その台詞は気に入りませんが)、大した問題ではありません。
私が抱える問題は、目の前の人間が、やる気を持たせてくれない個性を持っていた事です。
召喚直後、契約者が行ったのは「睡眠」でした。
翌日も、その翌日も。たまに起き出すと、周囲の人間と会話したり、持ち物を整理したり。
戦闘行為もこれといった方針も無く、最初は好意で余分にサポートをしていましたが、戦闘不能になると諦めてすぐ布団に潜り込むのです。
隠居するほどの力量でもなく、指向性に乏しい生きざまを見せつけられる日々。
私は、この契約者「バネッサ」が嫌いなのです。
できる事なら契約を破棄して、一日でも早く精霊界に戻りたいのです。
安直に「しるこ」と私を名付けた、その感性に耐えられないのです。
(つづく)